TOP Paint Gramat

あ【亞】

宝物の区別の一つ。一般仙が造った宝物の総称。「眞」に比べて格段に性能は低いが、承認は不要なので仙人なら誰でも使うことが可能。

あー【吾】

呂裏が使う一人称代名詞。方言。

あたり【中】

派生五流派が自らの流派で重んじるものを漢字一文字で表したもの。普通は「やいばのきわめ」のように漢字の音に関わらず意読されるが、音読みにすることもある。「業」は左田流の中。

いざなぎ-もん【煽凪門】

甲風屋敷の東に位置する門。甲風四方門の1つで、日央殿との正中線より北側に存在する。名称は伊邪那岐命が由来。

いすめ-の-かた【五皇方】

甲風においての階級名および身分。上忍。頭首、副頭首、一報頭、処罰策計頭、外交頭からなる。掟締決をはじめ、十君方の選別、屋敷の保全、主との面会などを行う。個人を指すときは皇方すめかたとも言う。忌名は天帝、泰山府君、道徳天尊、元始天尊、霊宝天尊が由来。「五つの皇方すめらかた」が語源。

いつ-め【五天】

伊雷においての階級名および身分。上忍。頭首、副頭首、一報頭、処罰策計頭、暗部頭からなる。掟締決をはじめ、十撰の選別、屋敷の保全、主との面会などを行う。五天方いつめのかたとは言わない。忌名は太帝、応龍、鳳凰、麒麟、霊龜が由来。「五つのあめ」が語源。

いとう-たからがい【異刀宝貝】

六門辺左田権内の所持刀。積齢真刀を造刀した際に残った鉄を使って作られた対の刀の一つ。刀匠は日浄太慶。

いらづま-にんりゅう【伊雷忍流】

近江国〔滋賀県〕に本拠地を構える忍流の一。主、五天いつめ十撰とおのえらびもの、下忍の階級からなる。頭首は太名おおみな、副頭首は応雨まささめ。甲風とは非常に関係が悪く、伊雷、伊雷流などと省略されることが多い。

いらづま-やしき【伊雷屋敷】

近江国〔滋賀県〕に本屋敷を据える伊雷の総本処。本屋敷は16,000坪、仮屋敷〔美作国・岡山県〕は10,000坪を誇る。東南には収翼殿が聳える。広義では本屋敷のことを指す。

いらい-らいらく-もん【伊雷磊落紋】

伊雷の流紋であり、幕府給許公私印。雷雲と雷によって砕ける岩を合形化したもの。上部の弧が雲、その中央から下に伸びる雷模様を囲むようにいの字が描かれている。基本的に見様見真似で習得するため、忍によって書き癖が出る。

伊雷磊落紋

いろは-うた【いろは歌】

伊雷で使われる順取りの歌。いろはにほへとちりぬるをわかよたれそつねならむうゐのおくやまけふこえてあさきゆめみしゑひもせす〔色は匂へと散りぬるを我か世誰そ常ならむ有為の奥山今日越えて浅き夢みし得ひもせす〕。甲風ではとりな歌が使われる。

いんようず【陰陽圖】

天曝〔阸代雷帝やくだいらいてい〕が所有する宝物、眞に属する。図とは言うが太極圖とは異なり形は無く、宝物の実体は「概念」である。全ての秩序混沌を無に帰す「萬物還元」を行うことが出来る。所有者および対象物の周りにある太極と無極を入れ替えて太極からの影響を遮断し保護あるいは消滅する。独立した意思で動くことが出来る唯一の眞で聨卮れんしという人格名を持つ。普段は護ることが主力となっているが真価は破壊。その真価によっては最も強力な宝物と謳われる。おんみょうず。口上「転じて に至高なし かいに有限あり 有象うしょう重ねるは無象のとせよ 陰陽をまわせ、陰陽圖」

えいせん-あん【永泉庵】

歳通の隠居する住まい。130歩程度の敷地の半分は庭で、四季折々の草木が揃えてある。門横には狐の出入りが出来るように無名門という入り口を備えている。その広さから広敷邸こうふていとも呼ばれる。

えつどうらく【越道楽】

大井伊春日家代の所持刀。最も優れた刀として最上大業物に分類される。鍔には家代の号である「うさぎ」があしらわれており、刀具合は権内の積齢真刀に退けをとらない。刀匠は岡村慶由之生。

えんきょり-せん【遠距離戦】

(1)敵から10歩以上離れて戦う方法。鎖や飛び道具を用いた戦いが多い。「—は懐に入れば有利」⇔接近戦 (2)昼間の任務で遠回しに目標とする人物へ影響を与えること、もしくは人伝いにして機密情報を盗み取ること。「非常に手間の掛かる—だ」

えん-だい【円台】

拷問具。円状の板で、咎人を大の字に縛り付けるための枷、乳首と男根に繋ぐための鎖がついている。尻あたりで折り曲げられ、股間部が四角く取り外せるようになっており、輪姦する際に使われる。裏側は2つの輪がついており、縄で吊り上げたり、柱に固定することができる。

おおねずみ-もん【大子門】

甲風屋敷の北に位置する門。甲風四方門の中で最も大きく、鏑門と日央殿の正中線上に存在する。一等客人を迎え入れる際の第一客座御用門で、普段は開かない。名称は子の方角にあることが由来。「北の—」

おきて【掟】

各流派に定められた、厳守されるべき取り決め。法度。儀礼、刑罰、名付、階級、行為などを定める。掟を破ることを破戒はかいといい、重い処分が下される。掟を変えることを改定かいていといい、改定された掟を決定することを締決ていけつという。掟の改定にはいくつもの行程が必要となるため、早くても5日ほど必要。掟の改定には頭首と准最機関に所属する全員の出席が必須。

おろし【下忍】

上級、準上級、中級、準中級、下級からなる下忍げにん。新参者から格上げされると、まず下級下忍となる。準中級以上になると屋敷内で自由に行動出来るようになる。上級は門番頭が在級し、準上級は警備役が在級するため、それ以外の下忍では中級が最高位となる。ただし、嵐烏は例外的に上級に在級〔下忍ながら五皇方に匹敵する実力を持っているため〕しており、屋敷の緊急時には下忍を総指揮する資格も持つ。下級は準中級や中級よりも厳しい任務を課せられることが多く、その代表としては影武者や身代わりなどがある。実力次第では下級を飛び級し、準中級に在級することもできる。

か【火】

火性忍式のこと。一見無造作のように見えるが、じわじわと相手の領域に踏み入り、予想外の展開で攻撃を活かすことから、揺らめきながらも燃す力を持つ"火"の性質に例えられたもの。体力を消耗するが、その分相手に錯乱状態を作り出す事が出来るため、対面した時に最も始末が悪いとされる。

かぎ-ぬき【鍵抜き】

細い棒または模造鍵を使って錠前を不正に解錠すること。ピッキング。「—・く」「—・ける」

かくとう-げん【鶴嶝間】

伊雷屋敷の収翼殿3階にある間。別名を霊社たまやしろと呼ばれ、先祖や殉死した者を祀っている。その名の通り、壁には水浴びや飛翔する鶴が描かれ、霊廟の金で装飾された鶴を依代よりしろとする。五天に昇進した者はここで御儀を執り行うのが決まり。儀式は五天に輪姦され全員の精液を腹に孕んだまま一晩幽閉の後、精液が外に出ていなければ昇格となる。重権間と同様に神域であり、厳重に封印されている。→間

かすが-りゅう【春日流】

舞剣派春日元流。神頭流が分派した派生五流派の一つ。「かたのうつくし」をあたりとし、美しさを重んじる。天派てわ地派ぢわに分かれる。天派は飛剣飛刀を用いる遠方剣技、地派は重剣重刀を用いる近方剣技。ごうという独自の修練文化を有する。現在、神頭流に代わり皇居を護衛する流派。を現家元は5代目大井伊春日家代。

かたいちもん【堅壱聞】

六門辺左田狼之介の所持刀。一般的な形の刀ではあるが、それらと比べて非常に硬い。鋳造における最大密度で作られているため、折る事は出来ない。しかし、刃は脆いため磨ぐのには非常に根気が必要。刀匠は日浄太慶。

かっ-しゃ【滑車】

(1)水性忍式において、技を繰り出す間髪の差。1滑車はおよそ0.06秒。「4—ではまだ遅い」 (2)罠を発動させるためのからくり。かつしや。「—を架ける」「—落ち」

かっしゃ-おち【滑車落ち】

からくりが巧く回らず罠が発動しないこと。滑車が渡し縄から落ちる様子から、失敗する意味となった。かつしやおち。

かぶらき-もん【鏑門】

甲風屋敷の南に位置する門。甲風四方門の1つで、大子門と日央殿の正中線上に存在する。鏑とは音を発生させる道具のことで、名称は創設以来最も鏑矢が鳴ることが由来。裏手に位置するため、敵が侵入しやすい門。「南の—」

からかぜ-しほう-もん【甲風四方門】

甲風屋敷の東西南北に存在する四つの大門である北の大子門、東の煽凪門、南の鏑門、西の秋脊門の総称。単に四方門ともいう。

からかぜ-にんりゅう【甲風忍流】

近江国〔滋賀県〕に本拠地を構える忍流の一。主、五皇方いすめのかた十君方とおぎみのかた、下忍、手習いの階級からなる。頭首は天東そらぬし、副頭首は泰海やぬわた。伊雷とは非常に関係が悪く、甲風、甲風流などと省略されることが多い。

からかぜ-ふくとうしゅ-めいすい-じけん【甲風副頭首迷遂事件】

甲風屋敷創設より4年後に起こった事件。甲風副頭首泰文が伊雷頭首太名の口車に乗せられ、甲風を落とそうと企んだ。最終的に泰文は掟に背いた事で道猩と元老によって処刑され終息した。元老が臆病になる原因であり、屋敷では泰文の怨霊を見る者が後を絶たない。

からかぜ-やしき【甲風屋敷】

近江国〔滋賀県〕に本屋敷を据える甲風の総本処。日本庭園と2つの訓練場があり、中央には日央殿が聳える。本屋敷は25,000坪、仮屋敷〔飛騨国・現岐阜県〕は18,000坪の敷地面積を誇る。広義では本屋敷のことを指す。

からし-ばしょ【枯場所】

甲風屋敷生活寮の地下にある牢屋。25室あり部屋は割と広い。掟破りや捕獲した忍を監禁するための場所。天井と床に鎖があり、忍を全裸にして広い部屋の中央で大の字に吊るす。股間を晒す羞恥心と広い部屋で拘束される空虚心を倍増させる仕掛けとなっている。廊下の奥には拷問室があるが、拷問を受けている忍の唸りや喘ぎが全部屋に響くようになっている。かればしょ。

かれせ-もん【秋脊門】

甲風屋敷の西に位置する門。甲風四方門の1つで、日央殿との正中線よりに少し南側に存在する。二等客人を迎え入れる際の第二客座御用門。普段は開かない。由来は不明。「西の—」

かわや【厠】

便所。甲風屋敷には5か所、伊雷屋敷には3か所に設置されている。それぞれ1か所につき4つの個室あるが扉は無い。水洗式で、近くの川から引いた水を暗渠に通して屋敷内に取り込み、絶えず流水し続ける仕組み。忍たちの隠れた性交場になっている。

きこうきゅう【燬皇弓】

15番目の眞として千恫戟の破片から創られた。弓の形を取り、射た矢の軌道上にあるもの及び対象を豪炎で焼き尽くす。その火力は宝物中最大で、太陽の数十倍の温度を持つ炎の矢が通った後は例え山であろうとも灰しか残らない。出力を最大にするとたった一本の矢で地球全土を焼き尽くす炎焔を出せる。弓矢の仕組み上、千恫戟のような多彩な戦術には使えないが、ある意味では千恫戟の複数の破壊能を1つに纏めたような宝物である。

きせん-もん【貴仙門】

伊雷屋敷の東に位置する門。伊雷屋敷五慵門ごようもんの1つで、陽保大道ひもちのおおどおりの直線上にある。客人を迎えるための門であり、忍は通過出来ない。「東—(あづま—)」

きた-の-ひのみ-やぐら【北火見櫓】

火見櫓ひのみやぐら

ぎょうはくがん【尭白鴈】

六門辺左田狼之介の所持刀。陶器で造られた刀で、刀身、柄、鍔などの全てが白くて非常に美しい。狼之介は人を斬るためではなく、晴れの装飾として用いている。刀匠は日浄太慶にちじょうたいけい

きんこうしょう【金光鐘】

空燕眞人が所持する宝物。金色に輝く鐘。鳴らすと音が届く範囲のものをすべて破壊する。音源に近いほど砂のように粉々に破壊される。音をうまく集中させればある1点のみを破壊することも可能。

くさり-がま【鎖鎌】

重智の主武器で、名前は無い。鎌は独特な形状をしており、急所を狙うのに最適なように作られている。鎖の長さは3m〔梅〕、6m〔松〕、10m〔竹〕がある。分銅には勾玉を模した6kgの鉛が使われ、一撃を全力で打ち込むと即死するほどの殺傷力を持つ。分銅は勾玉で胎児を表す。

く-ない【苦無い】

(1)小刀のこと。甲風と伊雷においては一般にいわれる苦無いとは形状が異なり、護身用懐刀のことを指す。 (2)錐状の刃、柄、輪からなる武器。

くのじ-かぶと【くの字兜】

拷問具。萎えた状態の陰茎に取り付け、勃起させた後に中央の関節棒を開き陰茎を無理矢理くの字に折り曲げることで苦痛を生じさせる。最大110度まで折り曲げられるが、90度を越えると陰茎が折れて激痛を伴う。勃起すると兜の先にある返しが亀頭を固定してしまうため、兜自体を開かないと抜けなくなる。

くもぬま-しんりゅう【雲間真流】

摂津国〔大阪府〕に本拠地を構える忍流の一。また、朝廷直属の忍流であることから「公忍こうにん」「朝忍ちょうにん」とも呼ばれる。幕府が主催する総頭忍會には出席せず、これらの忍流に関わることもない。総頭忍會が最も警戒する忍流であり、実力は相当のもの。頭首は玄果あおはた。雲間、雲間流などと省略されることが多い。

くろいたち【黒鼬】

大井伊春日家連の所持刀。真っ黒な刀で、白鼬と対を為す。刀先が重く出来ていて、天派の技中において白鼬を弾くために最適なようになっている。単体ではほとんど役に立たない。鍔に家代の号である「鼬」が描かれている。刀匠は日浄太慶。

けいせい-もん【傾世門】

伊雷屋敷の西に位置する門。伊雷屋敷五慵門ごようもんの1つで、季保大道ときもちのおおどおりの直線上にある。長い間使われておらず、閂や門番いも錆びているため開かない。門番は駐在する。通称は錆門さびもん

けわ-がたな【粧刀】

津瞭外の所持刀。刀先に筆を指す穴がある奇妙な刀。人を斬るために造られたものではないため、刃が無い。刀匠は不明。

げん【間】

日央殿や収翼殿において部屋一帯を指す言い方。いくつかの部屋をまとめ、その範囲のこと。日央殿では各階に1つの間に対して1つの部屋しかないが、収翼殿では1つの間に対して複数の部屋を持つ。閣間かくげん。「〔日央殿〕頂閣ちょうかく—」「〔収翼殿〕重権ちょうけん—」#

けん-ざん【劔山】

拷問具。格子状の木枠に複数の刀を上向きに立てた簡単なもので、咎人を上から吊るして落とし、寸止めして精神的苦痛を与える。伊雷では目隠しをして落とす戯具として使われていて、身体が刀に到達すれば死に至る。

こうけんさ【鉤釼鎖】

霊爻の主武器。両端に鉤と釼〔くない状の刃〕を持つ全体が鎖状の武器。長さはおよそ7mで、鎖自体を振り回して攻撃する。関節が細かく柔軟な動きをするため様々な戦法に対応する。鉤を対象物に食い込ませて引きつけ、釼で留めを刺す使い方をすることが多い。鉤は龍の爪を表している。

こうじょう【口上】

宝物「眞」を呼出、あるいは発動させる際に前置きされる一文。眞には必ず口上があり、その性質を組み込まれている。但しこれを唱文しないと使用できないわけではない。雅約がやくとも。

こうさつ-てんかい【高刹転回】

伊雷の麒穏が考え出した日本刀の動き。技術としての名前であり、技そのものの名前ではない。日本刀の柄を中指乃至人差し指で回転させ、瞬時に180度回転させる方法。柄尻の輪を使うものと柄の側面を使う方法がある。八方からの敵に対して流れるように突き刺すことが出来る。「—を繰る」

ごうせんせき【剛仙石】

空燕眞人が所持する宝物。石を当てた体の部分が強化される。あまりにも過酷な使い方をすると体が保たずに崩壊する。

こうふう-しゃりん-もん【甲風車輪紋】

風の流紋であり、幕府給許公私印。風車かざぐるまと三つ巴を合形化したもの。三つ巴は天東の家紋。書き方には中央からの線を下に伸ばす引き下げ型と、渦巻き状に弧を描く引き巻き型がある。基本的に見様見真似で習得するため、忍によって書き癖が出る。

甲風車輪紋  - 渦巻

ごうもん【拷問】

捕らえた忍を痛めつけるための行為。折檻。拷問室が用意され、そこで行われる場合が多い。自白させる程度のものから最終的には殺してしまう拷問まで幅広い。また、拷問には拷問具が使われることもある。

ごうもん-ぐ【拷問具】

捕らえた忍を拷問するための道具。一時的に痛みを与えるもの、継続的に痛みを与えるものなど目的によって多様な道具がある。身体を破壊する拷問具も含まれる。ほとんどが性的苦痛を与えるために作られたものが多い。

ごせんきん【護仙巾】

冀源眞君が所持する宝物。後に乕兩に授けられる。普段は長方形の布の形状をしており、自由に形や長さを変え、宝物を包むとその力を無効にし、翳せばあらゆる宝物からの攻撃を無効にする。宙へ放れば自由に動かすことが出来る。亞であれば全てを無効に出来るが、眞においては雷神鞭と陰陽圖の力を無効にすることは出来ない。

ごせんじゅう【五千衆】

霊轟が考えだした大集技。五皇方がそれぞれ技を持ち、個々の技を一つに集束させることで完成する。天東は千現冊せんげんさつ/ちましのはた、泰海は千束矢せんそくし/ちつかのや、道猩は千斷式せんだんしき/ちざきのたてまし、元老は千刺通せんしつう/ちのいとほし、霊爻は千一塞せんいっさい/ちひぶさ。先代五皇方につき、霊轟は千亟幇せんきょくほう/ちしみよし、泰文は千年雪せんねんせつ/ちとせのゆきである。伊雷には存在しない。また、個々で使われることはなく、五千衆のみで使用されるのが特徴。弱点としては五皇方が全員揃っていないと使用出来ず、五皇方が入れ替わること度に連携を再調整しなければならないなどが挙げられる。技名に共通する千は多いの意。

こ-とう【孤刀】

太名の主武器。斥刀の対となる刀。刀身は大きく弧を描いている事から名付けられた。首を切断するのに最適な角度で作られている。刀身と柄の間には珠算の珠のような錘が付いていて勢いを付けるのにちょうど良い重さとなっている。柄尻には斥刀を挿す為の穴が空いている。刃は三日月、錘は算盤の珠、束はアルファベットのIを表している。

こめい-せいやく【呼名制約】

頭首が忍を呼ぶ際、忍名を愛称めでなで呼ぶことを禁じる制約。総頭忍會庚午立拘条件第三項に含まれる。愛称は正式な忍名ではないため、これを規制している。

こもんじ【小文字】

南木曾鉦成の所持刀。脇刀として造られたもので、おもに飾り刀。鉦成は冠婚葬祭など慶事や社交の時以外ほとんど帯刀しない。刀匠は北條勝迺。

ごよう-もん【五慵門】

伊雷屋敷の東西南北に存在する五つの大門である北の傾世門、東の貴仙門、南の老座門、西の神明門と定衣門の総称。

ごん【金】

金性忍式のこと。主忍具を持たず、複数の道具を連携させて攻撃を活かすことから、交い合う道具に用いられる"金〔金属〕"の性質に例えられたもの。道具を複数持ち歩く必要があるため、他の忍式よりも重装になる。ほとんどの技が計画的になるため、罠の効果を読まれないようにしなければならない。

こんろん-さん【崑崙山】

大陸の西部にある山あるいは山脈。崑崙クンルン。仙人の宮洞が多くあり、山頂付近は聖域となっている。また、清浄な大気が循環しているため欲の多い者は人も動物も禊をしないと入ることが出来ない。穢れが入り込むと「傾山シエシャン」と呼ばれ、大気が不安定になって仙桃などの清果が腐る。

ざいきゅう【在級】

(1){〔共〕として}下忍おろしのいずれかの階級に留まっていること。 (2){〔甲〕として}五皇方、十君方の身分に留まっていること。 (3){〔伊〕として}五天、十撰の身分に留まっていること。

ざいせき【在籍】

忍流に籍を置くこと、または置いていること。その日を入籍日という。

さのだりゅう【左田流】

真刀派左田本流。神頭流が分派した派生五流派の一つ。「やいばのきわめ」をあたりとし、技術を重んじる。天道派てんとは継神派つぐじんはに分かれる。天道派では片平流の流れを受け継ぎ、継神派では5代目家元六門辺左田十郎右衛門が古文献により神頭流の技を復興したものが受け継がれている。古くは片平流かたひらりゅう。現家元は6代目六門辺左田権内。

さんびきゅうし【散鼻弓矢】

泰海の主武器。弓矢。弓は全長1m48cmの樫造りの大型弓。矢羽根は三方羽で、鷹の風切り羽が使われている。弦の張りが強く、腕に力を入れなければ満足に引けないが、その分速さと殺傷力は高く、腕次第では甲冑を射抜く事が出来る。大型なため持ち運びには不便である。

しずめ-どう【静堂/鎮堂】

甲風屋敷北火見櫓から伸びる廊下を南へ進んだところにある堂。甲風屋敷創設以前からそこにあったもので、魂鎮堂たましずめどうと呼ばれていた。取り壊すのは縁起が悪いとされていたため、今に至る。地蔵菩薩と道祖神が併せて安置されている。

じってそう【十手創】

嵐烏の主武器。3本で1セット。湾曲した刀身と、円弧を描いた留刺が特徴。留刺は回転を加えたり、空中に放り投げる時に使う。正式な名前を持つ数少ない武器。十手創は武器の名前ではないが、目抜きの数により白梅しらうめ紅梅あかうめ碧梅あおうめという名前が付けられている。十手。刃は青龍堰月刀を参考、留刺は鷹の鉤爪を表している。

しのび-な【忍名】

忍としての名前。本名の一部から名前を取ることも、全く異なる名前にすることも出来、名付けは本人の自由。ただし、一度承認された忍名は原則として改名出来ないため、死ぬまで使い続けなければならない。甲風、伊雷共に漢字二文字が原則である。読みは濁音を用いず、大和言葉で四音となる。頭文字を取って愛称とする。他の忍流などに漢字や読みが分からないよう暗号化のようにすることが前提となっている。「重智しのさとは—である。」

しのび-りゅう【忍流】

忍となる者が在籍し、忍術や心構えを訓練するための流派。甲風、伊雷も忍流。客観的に見て忍屋敷を指すこともある。

しほうけん【四寶劔】

靈寶天尊が所持する宝物。註仙劔、戮仙劔、陷仙劔、絕仙劔の4つの剣をひとまとめにしたもの。剣を4カ所に突き刺すことで、その結界内に豪雨を発生させる。どれか1つでも壊されたり抜かれたりすると結界は解除される。

しゃほうきょう【寫寶鏡】

空燕眞人が所持する宝物。丸い銅鏡で、映した宝物から半分だけその力を抜き取り使えるようになる。抜き取られた宝物は力を半分しか出せなくなる上に寫寶鏡の半制御下におかれることになる。しょほうぎょう。

しゅうよく-でん【収翼殿】

伊雷屋敷東南に位置する建物。御斉間、重権間、三嶽間、暝明間、鶴嶝間、男誡間、女脾間からなる3階建て。日央殿と比べて広く大きいが、儀式以外にも実務的な目的使用も兼ねているため部屋の数が多い。周りに囲い塀がない変わりに、道を誤ると罠が発動する隠し掘がある。

しゅ-ぶき【主武器】

忍が主に用いる武器。この武器の性質によって忍式の型が決まる。形状別に分類すると鎖型、刀型、棒型、縄型、針型、糸型、斧型、鎚型、弓型、鎌型、鋏型などがある。うち、武器としての数が最も多いのが刀型で、最も少ないのが弓型。正式な名前が付いているもの〔嵐烏の十手創など〕と付いていないもの〔重智の鎖鎌など〕がある。

じゅんかく-げん【准閣間】

甲風屋敷日央殿の2階。主に祭事や儀式を行う場所。天井には仏教極楽浄土が描かれており、四方には外廓窓が設けられている。中央付近に頂閣間への扉があり、周りが祭壇となっている。普段は誰も来ないため、元老と霊爻の性交場となっている。→げん

しゅんぱくまる【隼白丸】

津瞭外の所持刀。普通より細身の刀で、その形状から狼之介からは「秋刀魚さんま」と呼ばれている。普段は床の間においてあり、あまり帯刀する事は無い。刀匠は佐藤洲右衛門。

じょうい-もん【定衣門】

伊雷屋敷の西に位置する門。伊雷屋敷五慵門ごようもんの1つで、伊雷屋敷の西に神明門横に併設されている比較的小さく、下忍が用いる門。通称として俺門えんもんと呼ばれる。

じょうさつ-そへい【錠冊鼠蔽】

伊雷の伝統忍術。細い鎖の先につりという鉤がついており、鎖を敵の腰に巻き付けた後、釣で鎖を固定する。一度鎖が確保されると開放芯が外れ落ちてしまうため自力で解く事は出来ない。また再び開放芯を刺しても解く事は出来ず、伊雷の者しか解き方を知らない。錠鼠じょうそとも呼ばれる。

しょうしんぷ【精秦斧】

応雨の主武器。大陸から輸入された異斧。当初は秦斧と呼ばれていたが、後に応雨が精秦斧と改名。全体の形状は日本の斧とほぼ同じだが、刃の部分がM字に波打っている。頭が非常に重く、動きを鈍らせるものの、破壊力は他の武器を遥かに凌ぐ。斧の側面には老龍が彫金されていて、目と玉には本物の水晶が使われている。刃は西洋の斧、柄はバールを参考。

しょくざい-じゅうじ【贖罪十字】

「Crux Februum(くるくすふぇぶるうむ)」。ロウの右手首に彫られている刺青。単純な十字架の形をしており、キリスト教では神を司るとされる右手で人を殺すという罪を贖うために彫ったもの。

しろいたち【白鼬】

大井伊春日家連の所持刀。真っ白な刀で、黒鼬と対を為す。柄元が重くなっており、天派の技中において飛ばすのに最適となっている。堅壱聞に破壊された後、日浄太慶により今の姿になった。単体ではほとんど役に立たない。鍔に家代の号である「鼬」が描かれている。刀匠は日浄太慶。

しん【眞/真】

宝物の区別の一つ。天帝が造った宝物の雅称。仙界では十四宝と伝えられているが、陰陽圖と太極圖は萬象圖という一つの宝物であるため、正確には十三宝である。亞の10000倍の力を持ち、それ故に高位仙にのみ所持を許されている。譲渡などは現所有者がそれを承認する必要がある。「陰陽圖いんようず」「雷神鞭らいしんべん」「千恫戟せんとうげき」「天元珠てんげんじゅ」「絕禍陣ぜっかじん」「太極圖たいきょくず」「簞大砲たんたいほう」「四寶劍しほうけん」「金光鐘きんこうしょう」「冩寶鏡しゃほうぎょう」「帛魂烙はっこんらく」「如意典にょいてん」「護僊巾ごせんきん」「萬陶衣ばんとうい

しん【針】

元老の主武器で、名前は無い。6〜20cm程度の針で、真鍮で作られている。針の尻に深浅2つの切れ込みがあり、引き抜いたり糸を括り付けたりするのに使用する。矢のように飛ばす他、指に挟みこんで急所に突き刺すという使い方も出来る。あくまで攻撃専門であり防御は出来ない。

しんかい-ご【神界語】

神界で用いられている言語。使用する状況に合わせて交換型や厳格型などの語流を持つ。人工言語として整理された語列を持つ反面、特殊な文字と用法も併せ持つ。必ずしも現行言語と一致しない性格を持ち、様々な国の言語が混じり合ったような文法である。神界語における表記では「'fistados」であるが、これは「神から授かったもの」という意味を持ち、発音は「フィスタドス」よりも「p/fiθtadoθ」が正しい。今現在、ネイティブな話者はいない。

しんざん-もの【新参者】

新しく入門した者。通例的に流派に入門してから1年間までの者を指す。主に屋敷内の雑用を任され、その合間をぬって型の基礎を身につける。任務にはまだ携われない。1年を越えると昇格し、子弟となって訓練することができる。甲風では手習いともいう。

じんとう-りゅう【神頭流】

潔刀古典派神頭真流。皇居を近衛していた流派の一つ。日本最高峰の技術を誇るとされたが、14代目家元神頭中常の天皇離反により皇居から追放された。その後、有志により派生五流派〔片平流、春日流、蛇穴流、鬼川流、九十塚流〕として分散され、本流は陰ながらに代を積んでいたが、1代目家元神頭永名の遺言により天保7年、20代で断絶した。家元は20代目神頭影久。

じんめい-もん【神明門】

伊雷屋敷の西に位置する門。伊雷屋敷五慵門ごようもんの1つで、陽保大道ひもちのおおどおりの直線上にある。主、五天のみが通過を許される。通称として露門ろうもんという。

すい【水】

水性忍式のこと。技と技を間髪入れずに繰り出し、相手の動きに合わせて攻撃を活かすことから、止めどなく大地に沿って流れる"水"の性質に例えられたもの。流れるように技を繰り出せる技量を必要とし、軌道を乱さない安定した読みが必要。長時間の連続対戦や複数人相手には向いていない。

せいかつりょう【生活寮】

忍流に所属する忍が寝起きや食事をするための施設。甲風屋敷には本館と増館の2か所あり、それぞれ3階建て。本館の1階はかい、2階はくう、3階はさん、増館の1階はせん、2階はこく、3階はりんという。部屋の番号は東または南から見て右側が奇数、左側が偶数となっている。1室につき2名が生活する。両端に階段、2階と3階は中央にも階段が設置されている。各部屋には表札があり、部屋番号は20を廿、30を丗と表す。「海十五室」

せきとう【斥刀】

太名の主武器。弧刀の対となる刀。刀身が羽根のような形状の武器で、弧刀と合体させて使用する事もあれば単独で使用する事もある。弧刀が首を落とす作りなのに対し、斥刀は突き刺すための作りとなっている。柄尻には孤刀に差し込む為の突起があり、これが柄の役目も果たす。刃は笹の葉を参考。

せきれいしんとう【積齢真刀】

六門辺左田権内の所持刀。十郎右衛門の擘飢魘を太慶が打ち直したもの。刀身から柄にかけてSの字に反れ、刀身は一点の曇りもなく美しい。「東に四歩して五十二寝かせ、西に六歩あって北を六十に臨む、天は八日、地は四月の月央をもって南三十一に南斗星の始末を断て。」という斬り方をすると、岩を切り崩す事が出来る。刀匠は日浄太慶。

ぜっかじん【絕禍陣】

5角形の陣形を持ち、中にいる者の運を全て奪う。そのため、殺そうとすればその者にとって最も残酷な方法となる。天帝が長寿を弄ぶ仙たちの邪心払拭のために作ったものであり、人間に対しては全く発動しない。現在は所有者がわかっていない。

せっきん-せん【接近戦】

(1)敵の10歩以内まで接近して戦う方法。身丈の短い武器ではこの形態となりやすい。「あの忍は—に弱い」⇔遠距離戦 (2)昼間の任務で目標となる人物に近づくこと、または接触して罠を仕掛けること。「—に成功した」

ぜっ-くい【絶杭】

絶陣を布く際に用いる道具。3〜4寸程の杭で、上部に糸を括り付けるための溝が掘ってある。ぜつくい。「—を打つ」

ぜつ-じん【絶陣】

絶杭を最大6か所に打ち込み、その間に糸を張った罠。一度引っ掛かると上忍でも抜け出す事は出来ない。出ようとすればするほど足に糸が絡み付き自由を奪われる。糸はわざと緩めに張られている為、引っ掛かってもしばらく気付かない事が多い。仕掛人が糸の上に乗る事で扱かれ、全ての糸が強くなって完全に相手の動きを封じることができる。「—をく」「—に陥る」

せっとう【切刀】

道猩の主武器で、名前は無い。形状は独特で、刀の切っ先が切断されている。棟の根元から留刺が大きく突き出しており、切刀中央には四角い穴が空いている。柄尻には三房の飾りが付いている。刀自体は軽量化されており、振る際に力は要らない。その代わり刃が鋭利に研がれている。せつとう。刃は中華包丁、留刺はオリオン座の三つ星、三房は北極星・南極星・太白星を表している。

せんとうげき【千恫戟】

東嶽玄尊が所持する宝物。戟の形状をしており、一投すれば千の槍矛に変わる。投げるほか、振る、突くなどでも千の矛に変わる。「突一將穿嶮山。振一將斷大河。投一將價萬兵。(一突きは嶮山を穿ち、一振りは大河を斷ち、一投は萬兵に價す)」と言われる。攻撃を加える眞の中では3番目に強力な真価を持つ。口上「一動は陣計を断つよう万国跪足ばんこくきそくせり くうを裂くは遠し 山河千里をはしり震えむ 畏怖いふを成せ、千恫戟」

千恫戟

せん-にん【仙人】

仙気をもって昇山した者のこと。「神仙」は神格化し封神された仙人をいう。その教義は闡教崑崙せんきょうこんろん截教金鰲せっきょうきんごうに分かれる。宝物を用いて人世を整え、また山を護る役目を担う。仙人になるためには精神力、体力、気力の3素質が揃うことが条件である。仙桃を食べることで第4の素質である仙力を興すことができる。通常、仙桃により仙人になった際の年齢を経過すると1歳年を取る人齢・獣齢、および仙人になってからの単純計算としての仙齢という歳の区分がある。動物や植物から成った者は妖怪仙ないしは妖仙と呼ばれる。

せんぱとう【扇破刀】

南木曾鉦成の所持刀。鉄扇子と刀が細い鉄糸でつながれている刀。扇子は取り外したり付け替える事ができる。重いので小文字同様、ほとんど帯刀しない。刀匠は北條勝迺。

そう-とうにん-かい【総頭忍會/総頭忍会】

(1)各忍流派の頭首が1か所に集まる会合。 (2)幕府により日本各地の忍流を規模に関わらず公認する機関。幕府で開催されるため、朝廷直属である雲間などは参加しない。甲風忍流と伊雷忍流は総頭忍會正二位の階級を持つ流派とされている。2年連続で欠席すると頭首格剥奪〔格剥かくばく〕、3年連続欠席で強制除名処分〔名剥めいばく〕となり、除名処分されると公に対して流派を名乗ることはできず、幕府や大名などの直傍属の忍流にはなれなくなる。

たいきょくず【太極圖】

道徳天尊が所持する宝物、眞に属する。陰陽圖が概念であるため実体を持たない宝物なのに対し、こちらは何も書かれていない竹簡の形状をしている。広げると灰となって周囲を覆い、灰の届く範囲内の太極や陰陽を全てリセットして作り替え、空間も時間も全てを再構成した世界を作り出す。空間そのものが高次元であるが故に一度閉じ込められると所有者以外は抜け出すことが出来ない。全てを再構成する「萬物化生」を行うことが出来る。全八巻。天帝により一巻は「方丈ほうじょう」、二巻は「蓬莱ほうらい」、三巻は「崑崙こんろん」、四巻は「金鰲きんごう」、五巻は「員嶠いんきょう」、六巻は「瀛州えいしゅう」、七巻は「岱輿たいよ」という神島神山を形成しており、八巻は道徳天尊が保管している。長い年月の間に五巻と七巻は腐敗して消失した。宝物の中で唯一、世界の根源である太極と陰陽をすべて再構成できること、そしてそれを亞では到底再現できないことから「至高の宝物」とも呼ばれている。なお、陰陽圖とは本来一つの宝物である。

たいし-でん【太子殿】

甲風屋敷の日央殿に併設されている建物。五皇方が執務をしたり、休んだり、重要書物を保管しておくための施設。日央殿とは回廊で結ばれている。

たまて-ばこ【玉手箱】

拷問具。人が余裕で入るくらいの箱の中に羽毛を植えた回転具を取り付けたもの。箱の中で咎人の両手を吊るし上げ、外にある車輪を回すと、中の羽毛が咎人の身体をくすぐる。また、同時に陰茎を撫で上げる。不自由なまま四方八方から絶えず愛撫されるため、30分程続けると乱心する者が多い。

だんたいほう【簞大砲】

道化眞君が所持する宝物。爆球が詰まったひょうたん。球は5mmくらいの小さなもので、これを散撒いた後に「発砲」と叫ぶと球が一気に爆ぜる。1粒が爆発すると家が一件吹き飛ぶ。声が届く範囲なら体内や物陰でも有効。爆発範囲に1粒が加わるごとに爆発力と範囲が累乗となる。

ちょうかく-げん【頂閣間】

甲風屋敷日央殿の3階。開かずの間とも呼ばれる場所で、誰も中に入ることは出来ない。准閣間の扉を開けるとT字状に階段があることは分かっているが、その先は何があるのか天東でも解らない。実は死ぬまで自慰を続ける修行を行い即身仏となった僧侶のミイラが安置されている。→間

ちょうけん-げん【重権間】

伊雷屋敷の収翼殿3階にある間。締決や改めを行う場所。壁には古事記の物語が連描かれており、天井は極彩色の雲で彩られている。天照大神、月読命、須佐之男命の三貴子を祀り、鶴嶝間と同様に神域であるため頑丈に封印されている。→間

つちのみや-じんじゃ【土宮神社】

岐阜県にある神社。伊勢神宮外宮より勧請された大土乃御祖神を主祭とする珍しい神社。広大な敷地を持ち、中には穂振井戸、御浦池、武道場のほか、本社務所、結城社務所、柏社務所の3つの社務所を持つ。広大な境内を持ち、隣接する土宮公園は広域災害時避難場所に指定されている。ケモカンの趣味から至る所に桜が植樹されており、花見スポットとしても知名度が上がりつつある。神社マニアの間では村内が書く御朱印と、毎朝行われる「戸越神問みとごしのかむどい」が有名。

てい-けつ【締決】

掟を定めること。掟を立案し協議した後に改定された掟を頭首が承認し公表すること。公表の概念を含まない場合もある。甲風では締決を准閣間で行う。

てーま-曲【テーマ曲】

甲風異聞および桜に烏で設定されている曲。甲風異聞では「眩暈〔鬼束ちひろ〕」と「Sky In The Pond〔Akeboshi〕」、甲風異聞縺では「ただ、ありがとう〔Monkey Majik〕」と「おかえり〔絢香〕」、桜に烏では「Rebirth〔ストレイテナー〕」と「鋼の心〔まきちゃんぐ〕」が採用されている。一貫して同じアーティストは採用しない規則性があり、物語を読む前と読んだ後に聴くために2曲が紹介される。また、各レーベルとはタイアップしていない。主題歌。

てつ-むち【鉄鞭】

(1)武器の形状の一つで、棒型に属す。 (2)鉄棒を鞭のように扱う戦術。

て-ならい【手習い】

甲風の身分の一つ。最も格下。→新参者しんざんもの

てんげんじゅ【天元珠】

空燕眞人が所持する宝物。七色に光る球の形をしている。この世にある、あらゆる天候を操作して発生させることが出来る。所有者が死ぬと光を失い、新たな所有者の手に渡ると復活する。てんけんじゅ。

ど【土】

土性忍式のこと。自身から攻撃を行わず、精神的に弱らせてから一気に留めを刺すことから、大地のように静かながらも地震で人を怯えさせる"土"の性質に例えられたもの。留めに失敗した場合、逆に不利な状況になる事が多いため、慎重になる必要がある。また相手を混乱させる話術などの分野の習得も必要。

とうしゅ【頭首】

各流派の総責任者であり、筆頭となる人物。身分は主に次ぐ2番目で上忍。甲風は天東そらぬし、伊雷は太名おおみな、雲間は玄果あおはたが頭首である。頭領、頭主、総領、かしら上頭かみがしらなどとも呼ばれる。屋敷に関する全ての最終決定権を持ち、下忍などを選別するほか、掟の最終決定を行う。年に一度開催される総頭忍會そうとうにんかいで集まる。

とうしゅ-はん【当主袢】

領首袢りょうしゅはん

とおぎみ-の-かた【十君方】

甲風においての階級名および身分。中忍。十人の優秀な忍のこと。五皇方により選ばれ、毎年再選される。候補の基準は曖昧であり、知力、体力、技術、存在意義などを判断することが多い。実力は忍により千差万別で、必ずしも下忍に勝るとは言い切れない。候補に入るには中級下忍である必要があるが、十君方を飛び級して五皇方に昇格されることもある。五皇方の補佐ができるが、頭首の補佐は副頭首が行うため、実質的に頭首の補佐はいない。下忍の師、武器管轄などを行う。個人を指すときは十君とおぎみとも言う。属する忍の名は八仙と名仙二人が由来。

とお-の-えらびもの【十撰】

伊雷においての階級名および身分。中忍。十人の優秀な忍のこと。五天により選ばれ、一度在級すれば死ぬまでその地位は変わらない。また、自ら退位することも可能である。候補基準は知力、体力、技術の所要条件を全て満たしている事。候補に入るには上級下忍である必要。十撰を飛び級して五天に昇格することはできない。五天の補佐、下忍の師、武器管轄などを行う。五天から補佐役を指名される。十撰方とは言わない。属する忍の名は十大妖仙が由来。

どかく-げん【土閣間】

甲風屋敷日央殿の1階。隅に階段と脱履所がある以外は何も無い空間。階段を上がる前に一礼する事が義務づけられている。→げん

ときもち-の-おおどおり【季保大道】

伊雷屋敷敷地内の中央を北から南へ伸びる道。中腹で陽保大道と接する。陽保大道よりも少し狭幅。この道を境に東側は下忍の侵入禁止区域となっている。陰陽道で四季を象徴している。季道。

どく【毒】

忍の道具の1つで、効き目の強いものから弱いものまで、およそ1,000種類以上の毒を使い分ける。種類は植物から採る草毒くさどく果毒みどく、動物から採る獣毒けものどく虫毒むしどく、鉱物などから採る岩毒いわどくなどがある。日本の毒物を和毒わどく、中国の毒物を漢毒かんどく、ヨーロッパや東南アジアの毒を西毒せいどく蛮毒ばんどく南毒なんどくという。局部的に痺れさせる程度から即死に至る程度まで幅広い。武器などに塗り切り口を伝わせて後発的に作用させたり、食べ物に含ませて服毒させる方法がある。どの毒でも解毒出来る技術を持つ者は今のところ何慶いつよしのみ〔ただし欧毒のほとんどは解毒出来ない〕。

とつもん-ぼう【突門棒】

拷問具。両手を縛ったまま三角錐を跨がせて肛門に先を当てさせ、不意打ちのように踏み台を一気に引き抜いて肛門を痛めつける。悶絶するが気絶することはなく、継続して苦痛を与える事が出来る。

とりな-うた【とりな歌】

甲風で使われる順取りの歌。とりなくこゑすゆめさませみよあけわたるひんかしをそらいろはえておきつへにほふねむれゐるもやのうち〔鳥啼く声す夢醒ませ見よ明け渡る東を空色映えて沖つ辺に帆舟群れゐる靄の内〕。1903年に成立した歌であり、実際の時代照合とは一致しない。伊雷ではいろは歌が使われる。

なんじうご-じょう【七十五乗】

甲風で性交に使う技をまとめたもの。75つの性技をまとめた書物を七十五乗帖ななじうごじょうちょうという。柄松つかまつあぶたきなどの技がある。男色に使われる以外に、捕らえた忍を輪姦する時に使われることもある。同様のものに伊雷では百四匙ひゃくししというものがある。

なんかい-げん【男誡間】

伊雷屋敷の収翼殿1階にある間。女脾間の隣。頭首が執務を執り行う場所で、主なども出入りする。地下通路で宝物殿と繋がっている。→げん

にちおう-でん【日央殿】

甲風屋敷中央に位置する建物。土閣間、准閣間、頂閣間からなる3階建て。周りを渦巻き状に回廊が取り囲み、併設されている 太子殿に繋がっている。甲風屋敷創設時から存在し、掟締決などの儀を行う。主と五皇方以外はたとえ一等客人であっても立ち入ることは出来ない。周りを高い塀で囲まれている上に入出口などは無く、域内に入る時は隠し廊下を使うがこれは主と五皇方だけしか知らない。神域。聖郭ひじりぐるわ

にほん-とう【日本刀】

麒穏の主武器で、名前は無い。細かい違いを除けば武士のそれと変わらない。高刹転回のために柄尻に輪が付けられていて、使用時にはこの輪に指を通して回転させる。斬るというよりは刺すことが多いため、切っ先は棟が三ツ頭の部分まで刃になっている。鍔には八卦を模した長方形があしらわれている。

にゅうせき-び【入籍日】

忍流に入籍した日。頭首から承認を受け、新参者〔甲風〕または下級〔伊雷〕としての身分を与えられた日が事実上の入籍日となる。甲風ではこの日になると嵐烏が当人の好む料理を作るのが習慣。誕生日と同類。

にょい-げん【女脾間】

伊雷屋敷の収翼殿1階にある間。男誡間の隣。五天や十撰が執務を執り行う場所。小会議や報告などの他、寛いだりもできる。地下通路で生活寮と繋がっている。→間

にょいでん【如意典】

眞に属する宝物。藁で作られた巻物。中は真っ黒で何も書かれていない。仙力を対価としてあらゆるものを生み出すことができる。形ある物質のみで現象や心情などは構築出来ない。所有者は不明。

にん-しき【忍式】

(1)技の性質。木、火、土、金、水、風、雷がある。「木性—」 (2)忍が個々の性格を生かして応用する技の型。

にん-じゅつ【忍術】

(1)忍が用いる特殊な戦法のこと。代表的なものでは水蜘蛛〔水遁〕、壁越え〔土遁〕など。 (2)隠語で性技のこと。七十五乗ななじうごじょうを指す。

にん-む【任務】

(1)陰忍として暗殺を執行するか、陽忍として機密情報を盗んだり内部から破壊工作を行うこと。(2)忍としての仕事。屋敷内での雑用を含む。

ぬし【主】

忍流屋敷に資金を提供する人々。士で番頭以上の高身分が多い。甲風と伊雷はそれぞれ3人づつ主がいる。主は特別配偶であり、主が毎年屋敷へ資金提供をする代わりに1年間いつでも任務を依頼できる〔お役目やくもく〕ほか、屋敷の決定に不服を唱えることもできる〔御哽見ごこうけん〕。提供資金相場は40〜70両。

のぶなが-の-もくば【信長の木馬】

拷問具。三角の台。上から咎人を吊るし、落として股間を痛めつける。ほとんどの者は1〜3回で気絶か失神する。上から押さえつけたり、両足に錘を付けてより苦痛を与えることもある。

はちもんとう【八門刀】

雷門らいもん」「火門かもん」「衆門しゅうもん」「盖門かいもん」「汴門べんもん」「夫門ふもん」「導門どうもん」「里門りもん」の八つの刀を指す総称。刀匠は不詳。刀には門構えの中にそれぞれの文字が入って一文字で刻まれている。うち、雷門が大井伊春日家代の所持刀、里門が槍の形状をしている。

はっきえん【擘飢魘】

六門辺左田十郎右衛門の所持刀。処刑用に造られた刀で、おもに断首に使われていたものを十郎右衛門が引き取った。常に赤く錆びており、研いでも次の日にはまた赤錆が出てしまう。また、声がしたり姿が映ったりと曰くの多い刀であった。太慶が権内の依頼で積齢真刀に打ち直すと、錆びも出ず、怪奇現象も起こらなくなった。刀匠は浄瑠璃寨。

はせい-ごりゅうは【派生五流派】

神頭流が解体したときに全国に分散した5つの流派のこと。片平流かたひらりゅう左田流さのだりゅう〕、春日流かすがりゅう蛇穴流さらぎりゅう鬼川流きぬいりゅう九十塚流くのづかりゅう

はっこんらく【帛魂烙】

白鶴童子が所持する宝物、眞に属する。玉璽のような形。生物の皮膚に烙することでその生物の魂を操る。魄までは操れないため病気などによる死には抵抗できないが、痛みは感じない。操られている間の記憶は残るが、操られている間は本人の意識が無いため解除された後に記憶が戻る。

ばんしょうず【萬象圖】

陰陽圖と太極圖に分離する前の宝物。仙界が興った時には既に太極圖と陰陽圖に分かれていたため、仙界ではこの世のあらゆる理象を司り、天地開闢の際に天帝が用いたと伝承される現物未確認の眞。眞においては最も強力な真価を誇り、それ故に竹簡部分を太極圖、文字部分を陰陽圖に分離された。太極圖での創造範囲を遥かに超えた広大な宇宙時空を構築し、かつそれを壊すことが可能。

ばんとうい【萬陶衣】

眞に属する宝物。着るだけで周囲のものを惑わし所有者の虜にする。それは直接見た者はもちろん、見た者を見るだけでも伝染し、結果的に大規模な催眠効果を発揮する。催眠の程度によっては死をも厭わない傀儡となるが、あまりにも出力を上げすぎると逆効果となり、独占欲のあまり殺し合いが起こったり、所有者を殺しにかかる者も出てくる。所有者は不明。

ひ-かいきゅう-みぶん【非階級身分】

伊雷において、どの階級にも属さない者を言う。基本的な待遇は五天と同等かそれ以下であり穏枝は五天副頭首と同等の待遇権を持つ。この待遇を受けている者は伊雷では3人。なお、掟に制定されていない身分であるため、正式な名称は無い。甲風には存在しない。

ひとう【飛刀】

天東の主武器で、名前は無い。月状の刀身と、柄尻に錘がついている。中央には回転用の穴が空いており、ここに指を通して軸回転させることで殺傷力を上げている。飛刀と言われるが飛ばして使うものではない。回転させずにそのまま小刀として使う事も出来る。刃と中心部は手裏剣、束と錘はダンベルを参考。

ひとつ-の-つみ【一つの罪】

Ūnus Peccumうーぬすぺくむ

ひ-の-みやぐら【火見櫓】

甲風屋敷の四方門に併設されているやぐら。門番が寝起きする宿舎を兼ねている。建物は2階分の高さがあり、塀の外まで見下ろすことができる。大子門の火見櫓だけは北火見櫓きたのひのみやぐらといい、回廊で静堂しずめどうに繋がっている。

ひもち-の-おおどおり【陽保大道】

伊雷屋敷敷地内の中央を東から西へ伸びる道。中腹で季保大道と接する。季保大道よりも少し広幅。陰陽道で太陽の道・黄道を象徴している。陽道。

ひや-いし【冷石】

伊雷屋敷の庭中にあり、猛暑中炎天下でも常に冷たい不思議な石。東屋のように屋根がつき、夏の暑い日にはここで憩う者も少なくない。石の下に空洞や古井戸、湧き水があるなど様々な説がある。下手に動かすと石の気〔石が持つ冷気〕が逃げるという険担ぎから、長らく動かされていない。冷石ひえいし

びゃっか-はくろう-せんい【百何白老仙衣】

天曝が着用する白い衣。宝物ではないが着る者の体格に合わせて柔軟に変化する性質がある。天山頂上のみに自生する蔀亶草ほうたんそうという植物の繊維を用いて作られている。

ひゃくし-し【百四匙】

伊雷の性交技をまとめたもの。104つの性技をまとめた書物を百四匙帖ひゃくししちょうという。同様のものには甲風に七十五乗ななじゅうごじょうがある。

ひゃくもん-ろう【百悶蝋】

拷問具。麒穏が考案した熱い蝋を垂らす事が出来る蝋燭。赤みを帯びていて寸胴。火をつけると瞬く間に解け始るがなかなか固まらず、咎人の身体の上で熱いまま伝い続け

ひょうばん【剽板】

麒羽の主武器。青銅の表面に黄銅を蒸着させた長方形の板に穴をあけた武器で、留刺は無い。戦闘時は二枚を併用することが多い。殺傷力は振り下ろした刀の切断力に相当する。回転または打ち付けることで打撃を与えたり切断する能力を持つが、回転の際に穴端で指を切断する恐れがあるため鉄製の指当てが必要。麒羽が下忍の時に作った武器。正式な名称は軒兒銅版けんしどうばん

ふう【風】

風性忍式のこと。気配を消しつつ、相手の不意を狙って攻撃を活かすことから、見えないが音無く忍び来る"風"の性質に例えられたもの。足音や気配を消し、相手に存在感を与えない。訓練次第では体格に左右される事は無い。

ぼうちゅう-じゅつ【房中術】

仙人が行う秘技。喘ぎ乱れて絶頂に達した男の新鮮な精液を飲み陽気を補うことが目的であり、自らの精液を混ぜ合わせることでより純度の高い陽気を補給することができるとされる。

ほう-もつ【宝物】

仙人が使う道具。宝貝バオベイとも。使えば使うほど体力を消費し、亞であれば人間でも使うことは出来るが中には即死するほど体力を消費するものある。「眞」と「亞」の2種類がある。→しん

ほうれん【封鎌】

霊蓑の主武器で、名前は無い。2対で1セット。軽量化された鎌。普通の鎌よりも刃が上向きに作られており、爪のような形状をしている。素材である鉄が脆いため刃こぼれが起こりやすく、連続使用には限度がある。その代わり1打目の殺傷力は非常に高く、腕を1本切り落とすこともでき、日本刀の切り口とよく似ている。刃は爪、中心から束はハンマーを参考。

ま-どり【間取り】

あえて敵の懐に飛び込んで素早く武器を弾くこと。

ま-びき【間引き】

(1)敵との最適な距離を計算すること。 (2)新参者の部屋を決めること。

みごく-げん【三嶽間】

伊雷屋敷の収翼殿2階にある間。瞑明間の隣。単に展望室としてしか使用されていない。三嶽さんごくとは伊雷屋敷の生活寮、貴賓殿、訓練場のことであり、この三嶽間からそれらを一景としてを見渡せることからそう呼ばれる。壁はほとんど無く、窓板を全て収納するとLの字状の窓から景色を一望することが出来る。→間

みさい-げん【御斉間】

伊雷屋敷の収翼殿2階にある間。掟改定や屋敷事などの会議を行う場所。2つの部屋に分かれているが、どちらも御斉間で、西にある方を後御斉間あとみさいげんと呼び、御斉間というと東にある間を指すことが多い。

みとごし-の-かむどい-さい【戸越神問祭】

土宮神社に伝わる、蛤を用いて戸を開けて良いかを神に問う儀式。毎朝、祝詞奏上の後に各社の前で2枚1対の蛤の貝を投げ、両方が表であれば社の戸を開け、両方が裏であれば社の戸を閉ざす。入れ違いになっている場合はもう一度投げる。

むめい-もん【無名門】

永泉庵の大門横にある小さな門。狐の黄金たそかれが出入りするために設けられた1尺半ほどの小さな門。一見すると板で塞がれているように見えるが、それを押し倒す事で入り口が開くようになっている。また、ここを潜ると板によって糸が引かれて鈴が鳴る仕組み〔チャイムと同様〕になっており、小動物以外の不正な侵入を防ぐ仕掛けになっている。名の由来は〔名無し者が通じる道〕の意。

めいさいし【瞑塞糸】

おもに鳳喉が扱う武器の一つ。細い透明な糸を2本ないし3本を縒り、それを木などの間に張って 敵を引っ掛ける。滑車次第では急所に食い込ませて窒息させることも出来る。五天昇格の時に甲風の道猩から伝授されたもの。本来は甲風の伝統忍術で、伊雷では鳳喉だけが扱うことが出来る。

めいめい-げん【暝明間】

伊雷屋敷の収翼殿2階にある間。三嶽間の隣。重要書物を保管しておく場所。膨大な量の書物が保管されており、1つの書物を探すのに3、4人がかりで探す必要がある。応雨が最も好む場所で、片隅には専用の書台が設置されている。→間

めでな【愛称】

同流派の忍同士が忍名を呼ぶために代わりに用いる名。愛名。忍名の頭文字を取り、それを大和言葉で言い表す。他流派の忍に対しては使わない。

もく【木】

木性忍式のこと。自分自身はほとんど動かず、相手を動かす事で攻撃を活かすことから、群がる動物にも動じない"木"の性質に例えられたもの。このタイプは遠距離戦専門が多く、接近戦には優れない。体力の消耗を最小限に抑えられるため、長時間戦に向き、かつ戦略が練りやすい。

も-す【門守】

(1){〔共〕として}屋敷の大門を保守する役目。中忍で下忍上級および準上級。 (2){〔甲〕として}甲風では甲風四方門に北、南、東、西として北が総門主格。忌名は方位指名。  (3){〔伊〕として}伊雷では五庸門に玄、青、白、朱として青が総門主格。忌名は玄武、青龍、白虎、朱雀が由来。

よう-せん【妖仙】

動物や植物から成った仙人。性格が残酷であるとして人間からは忌まれているが、天曝や白鶴童子のように穏やかな者もいる。闡教に属する妖仙は少なく、截教が受け入れが盛ん。佬仙が多い。妖怪仙、妖怪仙人。

らい【雷】

雷性忍式のこと。瞬発的な速さで技を繰り出し、相手に防御の隙を与えないことから、瞬時に光を発して被雷物を破壊する"雷"の性質に例えられたもの。無理に行うと筋肉を断裂させる恐れがあるため、あまり習得する者はいない。

らいしんべん【雷神鞭】

冀源眞君が所持する宝物。二股の鞭。天に向けて放つと雷により対象を破壊する。冀源眞君の仙力になると山脈を覆い尽くすほどの雷や、非触即死の雷でも自由自在に発生させることが出来る。眞の中では2番目に強力な真価を持ち、物理的な基礎負荷は推定500トンとも言われ、存在そのものを操作する陰陽圖を除いては他に類を見ない最強の宝物。雷神の鞭ではなく、雷の神鞭という意味。口上「覇王の背にありてかつ其の威厳をるは 正に化現けげんして神の御手に靂轟れきごうあり 神誅をくだせ、雷神鞭」

雷神鞭

らいもん【雷門】

大井伊春日家代の所持刀。越道楽に並ぶように大業物として分類される刀。越道楽よりも一回り大きく、刀身が長い。刀匠は岡村慶由之生2代目。

りゅう-し【留刺】

武器に備えられた鋭利な突起のこと。急所を突いて敵に致命傷を負わせるためのもの。留め刺し。

りゅう-もん【流紋】

各流派の象徴となる紋。狭義では幕府より流派が正式に認可されており、かつ総頭忍會に登録されている紋を指す。領首袢や上忍の着物などに描かれるほか、書物や通達書で花押の代わりとして使用される。敵の密書を盗み読んだことを知らせるためにその密書に描くこともある。

りょうしゅ-はん【領首袢】

頭首の正装。膝下から踝までの長半纏もしくは長羽織で、両腕と背中にのみ流紋が描かれている。袖に腕は通さず肩に掛けるだけなのが正しい着方で、袖は飾りに過ぎない。流派によって色や形が異なる。総頭忍會はこの正装を着用していないと出席出来ない。また、2着以上作ることは許されておらず、破れたり汚れたりした場合はその都度仕立て直す必要がある。当主袢ともいう。

りょう-せん【佬仙】

生まれつき仙人としての資格と力を持つ者。概ね親が仙人格を持っており、それを遺伝的に受け継いだことが起因となって生まれる。厳しい修行や昇仙を経なくてよいため、羨望と嫉視を込めて佬仙と呼ばれる。ろうせん。

りんじょう【輪縄】

鳳喉の主武器で、名前は無い。大きく輪を描くように関節で繋がれた鉄製の棒。1尺5寸程の鉄の棒の両端に関節輪が付けられており、それが十数個繋がって輪を作っている。首を絞めたり拘束したりするのに都合がよく、それ自体を打つけて打撃することが出来る。棒を2本束ねることで鉄鞭のように使用することも可能。鎖はブランコの鎖、形は数珠を参考。

ろうそく-しぐれ【蝋燭時雨】

拷問具。シャンデリアのような金属の枠に蝋燭が40本ほど立てられる。咎人を床に寝かせて固定させ、上から熱い蝋を降らせる。無造作に動かす事で体全体に蝋を撒く事が出来る。また、陰茎に装着し亀頭に直接蝋を流すものもある。

ろうざ-もん【老座門】

伊雷屋敷の南に位置する門。伊雷屋敷五慵門ごようもんの1つで、季保大道(ときもちのおおどおり)の直線上にある。下忍の通用門。名前の由来は門が設立されたとき、老人が門前で座ってこの門を眺めていた事から。本来付けられるはずだった名称である業火門(こうかもん)とも呼ばれる。