落園


2021.2.1
靁羽
この雨がいつ止むのかを
私は知らないで 滴る音を数えた

重く深く 感情こころは湧き上がるのに
どうしてあなたには届かないの

どうか肩を抱いて
何度でも大丈夫だと言って
この罪の重さを 私が飲み込むまで
どうか腕を引いて
遠くまで引き摺って行って
ここにはもうその答えなんて無いのだと


あなたがそっと笑うたびに
世界は震えて 私を責め立てるから

何もかもが 色を失い始めるのに
どうしてあなたへは届かないの

どうか肩を抱いて
いくつもの夜を越えた時のように
小さな過ちさえ 振り払ったように
どうか腕を握って
ふたりは楽園さえも逃げ出して
ここにはもうその明日なんて無いのだと

どんな罪だって
あなたの前では霞んでしまう
見上げた先にもし あなたの光があるのなら
ただ一つだけ

どうか肩を抱いて
何度でも大丈夫だと言って
この罪の重さを 私が飲み込むまで
どうか腕を引いて
遠くまで引き摺って行って
ここにはもうその答えなんて

どうか肩を抱いて
いくつもの夜を越えた時のように
小さな過ちさえ 振り払ったように
どうか腕を握って
ふたりは楽園さえも逃げ出して
ここにはもうその明日なんて無いのだと

無いのだと

無いのだと

まず前置きをすると、不倫の歌ではないです。特殊な条件で書かれたものなので、シチュエーションの想像は難しいかと思いますが、一言で言えば「異種間愛」といったところかと思います。

最近では色んな作品に人外などがよく登場するため当たり前のようになっていますが、人、動物、人外、神、獣、植物、物などあらゆるものの間に愛というのは芽生える可能性があると思うんですよね。

特殊性癖とか異常偏愛とかで片付けられてしまうんでしょうけど、それは巷によくある「ずっと愛してるよ」とか「結婚しちゃおっか」くらいの量産的な愛であって、純度密度の高い愛ってそう単純ではないし、常識なんてものを余裕で超えてしまうものがある。今自分たちがいる場所を同種同士が愛し合うことで保たれている「楽園」とするならば、異種同士が愛し合える場所というのはここではないんだろうと思うのです。だから二人は逃げ出したい。望んでいない明日がくるなら、楽園を棄てようとするのが真っ当な決断じゃないかというのがこの歌詞の言うところです。

なので「愛」と言う言葉は一切添加しておりません。